肩こりがあると、仕事や家事にも影響し、毎日つらいですよね。
大人は、首から肩にかけての筋肉によって、約5kgの頭と、約8kgの両腕を支えなければなりません。
また、長時間のオフィスワークなどにより、肩や腰に疲労が蓄積し、さらに運動不足などから、肩こりや腰痛で悩む人が後を絶えない状況です。
肩の筋肉にだけ注目するのではなく、からだを全体的にとらえ、心身全体のバランスを整え、肩こりを解消していきましょう。
「肩こり」と一口に言っても、原因によって3つの種類に分けられます。
・検査では原因がはっきりしないいわゆる肩こり
・整形外科疾患、内臓器疾患、眼科・耳鼻科・歯科疾患などが原因の症候性肩こり
・精神的ストレスやうつなどが原因の心因性肩こり
検査では原因がはっきりしない肩こりはなぜ起きるのでしょうか?
肩こりの原因は人それぞれですが、悪い姿勢や運動不足、特定の筋肉を使いすぎることによる持続的な筋の緊張や、筋肉のバランスの偏った使い方、精神的緊張、血行不良などが引き金となって生じます。
なかでも、普段の姿勢が悪い、偏った筋肉の使い方は、「こり」の原因として多くみられます。
姿勢が悪いと、短くなる筋肉と長くなって弱くなる筋肉が入り交じり、背骨や骨盤はゆがめられてしまいます。
特に、不良姿勢といわれる悪い姿勢は、一部の筋肉への負担を増加させてしまい正しい姿勢を保つために必要な数多くの筋肉の柔軟性と筋肉のバランスを乱してしまいます。
猫背で、頭がからだよりも前に出て、あごも突き出たような姿勢はもっとも悪い姿勢です。
首から肩にかけての筋肉を過剰に緊張させることになり、「肩こり」だけでなく「首こり」も生じさせます。
いわゆる猫背だけが悪い姿勢というわけではありません。
実は普段の肩の角度で肩こりが起こってしまう場合があるのです。
代表的な肩こりの姿勢は、「いかり肩」と「なで肩」です。
鎖骨の傾き具合で自分がどの肩のタイプか確認できます。鏡の前に立って、チェックしてみましょう。
正常な場合、左右の鎖骨のなす角度を時計に例えると、9時15分から10時10分のあいだで、9時15分に近い側の半分の範囲内あたりにあれば、鎖骨の角度はほぼ正常な肩です。
角度が10時10分以上の方は、
目を上に向けたり、額にシワを作ったり、首を後ろに倒したり、あごを引きつけたり、肩を後上方にすくめるときに痛みや違和感がある場合は、「いかり肩」の可能性が高いです。
それとは逆に、9時15分以下の方は、
目を斜め上に向けたり、耳を下や前に引っ張ったり、首を横に回したときや、腕を頭上に上げてから手で背骨を触ろうとするときに痛みや違和感がある場合は、「なで肩」の可能性が高いです。
病気ではなく、「いわゆる肩こり」の場合は、悪い姿勢や筋肉のバランス不良、運動不足、血行不良などが「こり」の原因です。このような肩こりであれば、治すことができます。
「肩こり」や「首こり」は、精神的・肉体的ストレス、筋膜、肩こりを起こしてしまうバランスの崩れた筋肉、からだ全体のバランスに影響を与える姿勢や歩き方など、日常の様々な原因が悪循環となり肩こりを引き起こしてしまいます。
改善するためには、リラクセーション、筋膜リリース、肩こり猫背姿勢の矯正、肩こりに関連した筋肉の柔軟性と筋力の改善、からだ全体の姿勢の改善と正しい歩き方の学習、日常生活の注意などが必要になります。
次回はこれらの改善方法の中から挑戦しやすいものをご紹介していきたいと思います!
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