この冬は体の変化に要注意?ヒートショック対策

2016年3月6日(日)

 

「ヒートショック」とは温度の急激な変化で血圧が変動して起こる健康被害のことです。失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞などを起こす場合があります。ヒートショックの典型的な例としては、入浴中の急激な血圧低下により失神し溺れて死亡するケースがあげられます。今回は意外と知られていないヒートショックについてご紹介します。

 

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交通事故による死亡者数よりも多い!?

 

健康長寿医療センター研究所の調査によると、年間約1万7,000人以上もの人々がヒ-トショックが原因で入浴中に急死したとみられています。その数は交通事故による死亡者数である年間約5,000人を大きく上回っています。特に気温が低くなる12月から1月にかけて入浴中に心肺機能停止となる人が、もっとも少ない8月のおよそ11倍に急増するともいわれています。

 

日本は世界中でもダントツ!?原因は日本文化にあり。

 

日本の溺死者数は先進国の中でも断トツに多く、欧米諸国の約5倍といわれています。「ヒートショック」という言葉も日本でしか通じません。日本には欧米のようにシャワーを浴びるだけでなく、お湯に浸かってリラックスする文化があります。最大の原因は、この“日本人がお風呂に入る習慣がある”ことです。もう一つは、気候が温暖な地域が多いため住宅の温度管理が夏中心になっていて、冬場になると家の中の温度が下がりやすいことも関係しています。逆に北海道のように極めて寒い地域では住宅の断熱度が高く、室温の季節変動が小さいため、「ヒートショック」が起きにくいといわれています。
入浴時による温度差
ヒートショックが最も起こりやすい場所は脱衣所です。寒い時期は居間と脱衣所の温度差が20度近くになることもあります。脱衣所で衣服を脱ぐと体表面積全体の温度が10~15度下がります。典型的なパターンは、寒い脱衣所で血管が収縮して血圧が上がり、入浴してしばらくすると今度は血管が拡張して血圧が急激に下がることです。それが原因で意識を失い、水を飲んで溺死してしまうケースが増えているのです。このように、急激な血圧の変化が体に負担をかけてしまいます。10度以上の温度差には十分に注意しましょう!

 

覚えておきたい入浴時の6つの方法

 

「ヒートショック」は主に入浴前後の温度差によって起こります。現在は家の中に温度差をつくらない全室暖房の家庭もあります。しかし、器具を設置せずとも、ちょっとしたことに気をつけるだけでヒートショックは十分に予防できます。今からすぐにできる対策を行っていき、習慣化しましょう!

 

【入浴前の対策】

1,脱衣所と浴室を暖かくしておく

浴槽にお湯が溜まっている場合は、お風呂に入る前にしばらく浴槽のフタを開けておくことで浴室の温度を上昇させることができます。また、浴室の床にマットやスノコを敷いておくことも有効です。

 

2,風呂の温度は38~40度に設定

入浴温度42~43度の熱い湯は、心臓に大きな負担がかかるためとても危険です。38~40度 くらいのお風呂に入るようにしましょう。入浴温度が41度以上になると、浴室事故での死亡者が増加する傾向にあります。

 

【入浴時の対策】

3,全身浴よりも半身浴をする

全身浴は体にかかる負担が大きいため、半身浴を心掛け体にかかる負担を減らしましょう。また、入浴時は心臓に遠い手や足からお湯をかけて体がお湯に十分慣れてから浴槽に入りましょう。

 

4,食後すぐの入浴は避ける

食事をしたすぐ後は血圧が消化器官に集まるため、血圧が下がりやすくなります。また、胃腸の血液循環が悪くなり、食物の消化吸収が悪くなります。食後は1時間以上あけてから入浴するようにしましょう。

 

5,入浴前後はコップ1杯の水分補給をする

入浴で体内の水分が失われると、血液がドロドロになり、心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなります。入浴前後にコップ1杯の水分補給を心がけましょう。

 

【入浴後の対策】

6,高齢者・高血圧の人は一番風呂を避ける

一番風呂は避けて2番目以降に入ることで、浴室内が温まった状態で入浴することができます。また、浴槽から出ると血圧が急激に下がるため、立ちくらみが起こりやすくなります。浴槽から出るときは、ゆっくり立ち上がりましょう。

 

この冬、自分はもちろんのこと大切なご家族を守るためにもしっかりと対策を行いましょう!!

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この記事の投稿者

mitsuyasu
mitsuyasu
ステラ漢方のホームページ、ステラ広場(コラム)のデザイン担当。 お役に立てる情報をWEBを通して発信していきます♪
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