誰もが一度は耳にしたことがある「食中毒」ですが、「自分は大丈夫」と思っていませんか?実は、食中毒は夏場(7~9月)に最も多く発生します!普段、当たり前にしていることが、思わぬ食中毒を引き起こすこともあります。食中毒にかからないために、まず、食中毒について正しく知ることから始めましょう。
食中毒の原因となる細菌・ウイルス等が付着した食品を食べることによっておこる健康被害をいいます。症状としては、主に急性の胃腸炎(下痢、腹痛、おう吐など)を引き起こしますが、発熱や倦怠感など風邪のような症状を引き起こすこともあります。
食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。細菌もウイルスも目には見えない小さなものです。細菌は温度や湿度などの条件がそろうと食物の中で増殖し、その食物を食べることにより食中毒を引き起こします。一方、ウイルスは自ら増殖しませんが、手や食べ物などを通じて体内に入ると、腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。
殺菌…ヒトの体内に定着し、細胞分裂で自己増殖しながら、ヒトの細胞に侵入する。もしくは、毒素を出して細胞を傷つける。
ウィルス…ヒトの体内に定着し、細胞分裂で自己増殖しながら、ヒトの細胞に侵入する。もしくは、毒素を出して細胞を傷つける。
細菌性食中毒
●毒素型…細菌が食べ物の中で作り出す毒素が体内に入ることによっておこる。黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などが原因。
●感染型…細菌が体内に入り、腸の中で増えたり毒素を作ったりすることによっておこる。サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどが原因。
自然毒食中毒
植物や動物にもともと含まれる有害物質を摂取することによっておこる。
毒キノコなどが原因の植物性と、ふぐ毒などが原因の動物性の2種類がある。
原虫等による食中毒
原虫などが食品や飲料水を介して体内に入ることによっておこる。
原虫(クリプトスポリジウムなど)や真菌などが原因。
化学性食中毒
有毒・有害な化学物質が食品や飲料水を介して体内に入ることによっておこる。
重金属(鉛、カドミウムなど)、農薬などが原因。
ウイルス性食中毒
ウイルスが食品や飲料水を介して体内に入ることによっておこる。
ノロウイルス、A型肝炎ウイルスなどが原因。
理由①「高温多湿な環境」
夏に食中毒が増える理由の一つが「高温多湿な環境」です。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温約20℃で活発に増殖し始め、人間の体温(36℃)ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。また、細菌は、ジメっとした湿気を好むため、湿度も高くなる梅雨頃から食中毒が増え始めます。
理由②「抵抗力の低下」
夏に食中毒が増えるもう一つの理由は、夏バテなどによる私達の体の「抵抗力の低下」です。また、細菌が少量であれば、食べても胃液により殺菌され、食中毒は発病しません。しかし、大量摂取した水で胃酸が薄まっていたり、胃薬によって胃酸の分泌が抑えられていると、十分に殺菌されず、食中毒になりやすくなることもあります。
●栄養分…食品や残菜、有機物汚れは細菌の栄養になります。 調理器具類についた食品や汚れも細菌の栄養になります。高タンパク質食品は、細菌にとって最良の栄養源です。
●水分…細菌は水に溶けている栄養分を分解して摂取するため、水分のない食品では増殖することはできません。水分を含む食品は、できるだけ冷蔵庫または冷凍庫に保存しましょう。
●温度…細菌の増殖には温度が最も大きな要素となります。すべての細菌はそれぞれ増殖に適した温度がありますが、一般に15℃~40℃が適温帯で、35℃前後でよく増殖します。
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