人間の髪の毛は1日50~100本生え変わっていると言われています。しかし、季節によって気温や環境が変わるように、頭皮環境も変わってくることをご存知でしょうか。特に春になると、副交感神経が活発になるため血流が良くなり、新陳代謝が盛んになります。そのため、髪を作る毛根の活動も活性化し、抜け毛が減って髪が育ちやすい季節とも言われているのです。
その反面、髪や頭皮のトラブルが増える時期でもあります。春は心身のバランスが乱れやすいだけでなく、頭皮や髪へのダメージも受けやすく、トラブルが起こりやすい時期です。春に起こりやすい頭皮トラブルを避け、健康な髪作りを行っていきましょう!
■自律神経の乱れ
気温や環境の変化によって気がつかないうちに体はストレスを感じます。ストレスは自律神経を乱し、ホルモンバランスにも影響を及ぼします。ホルモンバランスは髪の成長と関係があり、乱れると髪にハリやコシがなくなり、パサつきの原因になってしまうのです。
■紫外線によるダメージ
気温の変化や春風、花粉などの影響で頭皮が敏感になっています。この時期は肌のバリア機能が低下し、外からの刺激に弱くなります。また、日差しが徐々に強くなり紫外線の量が増えてくるのもこの時期。頭皮が敏感になっているこの時期に紫外線を浴びることが髪トラブルの大きな引き金になるのです。
■皮脂や汗が出始める
春は気温が暖かくなるため、冬に比べ皮脂や汗が出やすくなります。すると皮脂や汗がほこりと結びつき、頭皮の毛穴を詰まらせて髪の成長を妨げてしまいます。髪の成長が妨げられれば健康な髪はもちろん生えません。今生えている髪の毛も細く弱々しくなります。また、頭皮の毛穴の詰まりを放置しておくと、かゆみや炎症を起こす原因にもなります。
髪の毛は皮膚の一部が変化したもので、頭皮の一部です。私たちの体と同様、髪の毛も主にタンパク質で構成されています。
【髪の毛の成分】*Hair Care Scienceより
タンパク質
●ケラチンタンパク…髪の毛の主成分で硬い性質を持つ。髪だけでなく爪や皮膚の角質などもこれからできている。
●非ケラチンタンパク…髪は成長期、退行期、休止期というサイクルで生え変わります。髪の寿命は男性で2~5年、女性で4~6年の寿命といわれています。
メラニン
水分
脂質
【髪の毛のサイクル】
成長期…毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返し、タンパク質が変化して毛髪が太く硬く成長する期間。
退行期…成長期から移行し、毛髪の成長が止まる期間。毛球が縮小して、毛母の細胞分裂が減少して次第に毛母細胞と毛乳頭が離れる。期間は男女ともに10日~14日程度。
休止期…古い髪の毛が頭皮の表面まであがり、抜ける期間。この時期に毛根で新しい毛が生まれ始める。3ヶ月程で成長期へ移行する。
【髪の毛の構造】
毛幹の構造は真ん中にメデュラ、それを囲むコルテックス、その周りにキューティクルがあります。全て18種類のアミノ酸が化学合成をしてつくられています。
キューティクル(毛子皮)…髪の表面にある保護膜のような組織。外部のあらゆる刺激から髪を守る。何層にもなって瓦のように重なっている。
メデュラ(髄質)…髪の中心にある組織。髪の弾力に影響を与え、熱などの刺激から頭を守る働きがある。
コルテックス(皮質)…髪の内部を形づくる組織。髪の90%を占める繊維状のタンパク質の集まり。このタンパク質が多い程髪が硬くなる。
使い方によっては、髪にダメージを与えてしまうこともあるドライヤーやブラッシング。正しい使い方を覚えて美髪を育てましょう!
■ドライヤーの上手な使い方
①洗髪後はしっかりタオルドライ… 洗髪後、吸湿性の良い乾いたタオルで髪全体の水気を軽く拭き取ります。その後、タオルで髪の毛をはさみ、軽く押さえるようにしてしっかり水分を吸い取ります。この時タオルで髪をこすらないよう注意しましょう。
②左右に振りながら乾かす… 熱風が長時間1ヶ所に集中しないように、ドライヤーは左右に振りながら乾かすのもポイントです。温風と冷風を交互に当てて乾かすのもお勧めです。
③ドライヤーは髪から20cm離す… 指を使って髪の根元に風を入れながら、毛の流れに沿って乾かします。近距離から温風を髪に当てると、髪内部のダメージに繋がります。ドライヤーは20cmほど離して使いましょう。
■正しいブラッシング法
①パサつくときはヘアオイル… 髪がパサつく時はブラッシング前に髪専用のヘアオイルで保護しましょう。ブラシの滑りが良くなるため、枝毛や切れ毛を防げます。
②毛先のもつれをとる… 根元からいきなりブラシを入れて引っ張ると切れ毛が生じ、毛根にダメージを与えてしまいます。まずは毛先のもつれを解きほぐしましょう。
③髪の真ん中から毛先へ向けてブラッシング… 毛先がほぐれたら、次は髪の真ん中から毛先へ向けてブラッシングします。抜け毛を最小限に留めるためにも、ブラシはゆっくり動かすのがポイントです。
④仕上げのブラッシング… 最後に髪の根元から毛先に向け、髪の流れに沿って全体をブラッシングします。このとき、ブラシの毛先を頭皮に強く当てないように注意しましょう。
頭部には、髪の生育に関係の深いツボがたくさんあります。それらのツボを優しく刺激することで、美髪効果、育毛効果が期待できます。
■リラックス…神庭(しんてい)、百会(ひゃくえ)、天柱(てんちゅう)
■脱毛予防…目窓(もくそう)、曲差(きょくさ)、承光(しょうこう)、前頂(ぜんちょう)、百会(ひゃくえ)
■頭部の緊張を防ぐ…角孫(かくそん)、風府(ふうふ)
■頭部の血行促進…風池(ふうち)
頭皮を傷つけないよう、指の腹で優しく行いましょう!
頭皮の血行をさらに良くするために、首筋のマッサージをプラスしてみましょう。首は頭に繋がる大きな血管が集まる場所です。この部分の緊張をほぐすことで頭皮への血流を促すことができます。
①首筋に両手の4本の指を置き、ほぐすように軽くもむ。
②指を後頭部のつけ根に移動させ、下から上へ押し上げる。
美肌に効果があるといわれているアーモンド。実は美髪にも効果が期待できるのです。アーモンドにはビタミンE、ビタミンB、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。血行を促したり、潤いやハリを保つ抗酸化作用が含まれていたりと髪に必要な栄養素を摂り入れることができます。アーモンドを積極的に摂取しましょう!
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