いわゆる「こり」とは、一部の筋肉への過剰な収縮や疲労、長時間の悪い姿勢などにより、筋肉の血流が悪くなり筋肉が硬くなり、痛みを引き起こした状態のことです。
症状は、首、肩、肩甲骨、腕にかけての不快感や重圧だるさ、こり感があり、痛みやしびれを感じることもあります。
人は、楽な生活に慣れてしまったり、年のせいで疲れやすいからと運動をしなくなってしまうものです。
運動をしなくなると、加齢に伴い、筋肉量は減少して筋が萎えてしまいます。
運動を積極的に行うと、筋線維は太くなり、加齢に伴う筋量の減少が止まるか、あるいは一次的にでも筋肉量を増加させることが可能です。
偏った筋肉の使い方をするのではなく、正しい姿勢で筋肉を使うことで、バランスのよいからだ作りをすることが「こり」を治すことに繋がります。
前回の記事では、肩こりの2つの種類「なで肩」「いかり肩」についてご説明しました。
左右の鎖骨のなす角度を時計に例えて、10時10分以上あがっている方は「いかり肩」、9時15分以下の方は「なで肩」です。
今回は、このなで肩、いかり肩の人にそれぞれ効果的なエクササイズをご紹介していきます。
まずは普段から猫背、腰が反ってしまうという人に効果バツグンなエクササイズから始めましょう。
まずは基礎編です。
仰向けで、両膝を曲げて膝を立てる。両膝を曲げたまま胸の所へ持ってきて、息を吐きながら両手で膝を胸に近づける。この時、お尻も同時に持ち上げるよう意識しましょう。
30秒間、呼吸は止めないようにして、息を吐くときに膝を胸に近づけるようにしましょう。
次に上級編。こちらの運動は下腹部の腹筋強化にも効果的です。
両膝を曲げたまま胸の所へ持ってきたあと、両手を離して、腹筋の力でおへそを背骨に近づけ、腰の筋肉を伸ばすように5秒間ほどキープしましょう。元に戻すときは、腰が反ってお腹が浮き上がらないように、ゆっくりと戻しましょう。
長時間の作業などで筋肉を使いすぎることで、筋肉に持続的に力が入り続け、肩甲骨まわりがかたくなって、こりや痛みが引き起こされます。肩甲骨を大きく動かすことで、肩甲骨まわりの筋肉をほぐして血行を良くしていくことが大切です。肩甲骨を大きく動かすことも、肩こりを治す大切なエクササイズになります!
椅子に座り、両肩を2時方向に引き上げて5秒とめたら、両肩の力を抜いて6時方向に戻して抜く。
両肩を10時方向に引き上げて5秒キープ。両肩の力を抜いて6時の方向に戻して力を抜く。これを3~5回くり返す。
椅子に座り、ストレッチしたい側の手で椅子のやや後ろをつかむ。ストレッチする方向に首を倒していき、耳を倒した側の肩の前に出す。倒した側の手を頭に乗せて、軽く引っ張るようにする。10~20秒間くらいでストレッチを行い、3回くり返す。
両肘を肩の高さに上げた位置から、両肘と肩甲骨を一緒に持ち上げ5秒キープ。両肘を肩の高さに戻し、また持ち上げる。これを10回くり返す。
椅子に座り、ストレッチしたい側の手で椅子のやや後ろをつかむ。ストレッチする方向へ首を倒していき、鼻を倒した側の肩を近づけるようにする。倒した側の手を頭に乗せて、軽く引っ張る。
10~20秒間くらいでストレッチを行い、3回くり返す。
肩こりを治していくためにも、普段からの心がけは大切です。
日常生活で正しい姿勢を意識し、肩甲骨も意識して動かすことが肩こり解消への近道です。まずは、自分の肩の状態を知り、今回紹介したエクササイズを習慣化しましょう。
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