肺炎・認知症とノドの関係

2018年3月13日(火)

こんにちは!
突然ですが、皆さんはノドに良いことをしていますか?
 
風邪っぽい時にのど飴を舐めてみたり、
カラオケで長時間歌った後にノドに良いドリンクを飲んでみたり…🎤
その場だけのケアで済ませていませんか?
 
のどは「食べる」「呼吸」「発声」にかかわる大切な器官です。

そのため、のどが衰えると全身の健康状態の悪化につながる可能性もあります。
 
のどは意識的にケアして、鍛えることができます。
 
逆に、のどが衰えてしまうとのどだけではなく体の様々な箇所に問題が起きてきますΣ(°□°)
 
では一体どんな健康トラブルが起きるのか?
今回はそんなのどと体に起きる不調の関係についてのお話です。
 
のどが衰えるとこんな健康トラブルに!  
のどの筋肉が衰え、老化が進んでしまうと食べたり飲んだりするのが難しくなるだけではなく、
脳や肺にまでその影響が出てしまうことがあります。
 
①誤嚥性肺炎
 
本来なら食道に送られるべき飲食物や唾液が、気管や肺に入り込んでしまう「誤嚥」が起こりやすくなります。
 
この誤嚥をきっかけに、肺が細菌などに感染して起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」にもかかりやすくなります。
 
誤嚥の仕組み
 
※誤嚥はこうして起こる!
のどが衰えると誤嚥がおこりやすくなります。
 
これは、空気の通り道である「気道」と、飲食物の通り道である「食道」が“のどで交差している”のが大きな原因です。
 
飲食物を飲み込むときには、気管の入り口がしっかり閉じられているはずですが、のどが衰えてくると、入り口に隙間ができ、飲食物が行き先を間違えて気管へ、さらに肺へと進んでしまうことがあります。
 
これが、”誤嚥のメカニズム”です。 
 
 
②窒息
 
のどが衰えると食べ物を食道に正しく送ることができず、気管を詰まらせて呼吸ができなくなる「窒息」になることがあります。
 
5分以上呼吸が停止すると、脳に重大な障害が残る場合もあります。
 
 
③サルコペニア
 
サルコペニアとは、筋肉量が減って、筋力や身体機能が低下する状態をいいます。
 
サルコペニア対策には、運動が推奨されていますが、のどが衰えて食べ物が消化できなくなると、栄養不足による筋力低下につながります。
 
 
④認知症
 
のどが衰えてきちんと食べられなくなると、脳も栄養不足気味になります。
 
思考力が停止するほか、脳血管障害やアルツハイマー病の発症も促し、認知症をもたらしやすくなります。
 
 
のどを鍛えると健康寿命がのびる理由  
①肺炎予防になる
 
のどが衰えると誤嚥を招きやすくなり、「誤嚥性肺炎」のリスクが上がります。
 
のどを鍛えて機能を維持することで、「誤嚥性肺炎」の予防になるのです。
 
 

②窒息事故を防ぐ

 
のどが衰えて食べ物を食道に送り込むことができないと、食べ物が気道を塞いで窒息することがあります。
 
そこから脳に障害が残る危険性もあるのです。
 
 
③細胞がイキイキ
 
のどは、空気の通り道です。
 
呼吸器としての役割をきちんと果たしてくれることで、全身の細胞も元気になります。
 
 
④栄養をしっかりとれる
 
健康的な生活のためには、食事が必要不可欠です。
 
正しく飲み込むことで、体に必要な栄養も十分に得られます。
 
栄養不足になると全身に悪影響が出る恐れもあります。
 
 
⑤脳が活性化
 
のどには声をつくる「声帯」があります。
 
のどが鍛えられているからこそ、話すことができます。
 
人との会話が楽しめるだけでなく、脳が活性化して認知症予防にも効果的です。
 
 
⑥口腔環境が良くなる
 
唾液が減ると雑菌が増えて肺炎につながったり、虫歯の原因になることもあります。
 
噛むことで唾液が分泌されるので、のどを鍛えて一生口から食べることを目指しましょう。
 
 
のどの重要な役割  
呼吸の仕組み
 
①新鮮な空気を気管に送って肺に届ける「呼吸」
 
呼吸器としてののどは、外気の出入り口として酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する役割を果たしています。
 
呼吸時は、気管の入り口である声帯が開かれており、外気から取り込まれた空気は、咽頭から喉頭を通り、さらに気管の奥へと送られます。
 
気管とは、のどと肺をつなぐ10cmほどの管で、下端が2本に分岐し、分岐から先が気管支となります。
 
そして、末端の気管支とつながる肺胞で血液を介して酸素と二酸化炭素の交換が行われ、逆の順路をたどって二酸化炭素を含む空気が排出されています。
 
のどの構造
 
②食べ物や飲み物を食道へ送る「飲みこみ」
 
飲食物を飲み込んで食道を通じて胃に送るという、エネルギーを得るために重要な役割を果たします。
 
食べ物を口の中でまとめる→食べ物を舌の根元から咽頭に送る→食べ物を咽頭から食道に送る→食べ物を食道から胃に送る。
 
という順番で、私たちは食べ物を飲み込んでいます。
 
発声の仕組み
 
③声帯を吐き出す息で振動させる「発声」
 
声帯は2本の筋でできていて、呼吸をしているときは常に開いています。
 
声を出そうとすると声帯が閉じ、吐き出される息の圧力によって声帯が震えて、音がつくられます。
 
この音が口腔や鼻腔などの空間で共鳴して大きな音となり、口の動きや舌の動き、その他の表情筋などの動きによって言葉として発せられています。
 
そのため、のどの調子が悪いと声がかすれるなど、声の調子もおかしくなるのです。
 
 
普段話したり歌ったりすることでしか意識しない「のど」ですが、
実は私たちが生きるために非常に重要な役割を果たしているのです。
 
では、そんなのどを衰えさせないためにできることはあるのか?
 
次回はのどの筋力を高めるトレーニングについてご紹介します。
 
 
参考文献:肺炎にならないためののどの鍛え方


この記事の投稿者

mitsuyasu
mitsuyasu
ステラ漢方のホームページ、ステラ広場(コラム)のデザイン担当。 お役に立てる情報をWEBを通して発信していきます♪
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