今回は、福岡市中央区唐人町商店街の一角にある和菓子専門店「加美屋製菓」へ行ってきました。ここは黒田藩の御用達として名高い老舗和菓子店。店舗に掲げられた鮮やかな藍染ののれんを潜ると、そこには古き良き時代を思わせる店内が広がっています。
享保年間、初代大山惣右衛門が「大山菓子司(おおやまかしつかさ)」を創業。その技術と味は永く博多の人々に愛され、黒田藩御用菓子司となり歴代藩の御用を勤めました。現在、第十五代目の紙谷睦和(かみやむつかず)さんがおよそ300年の歴史を受け継いでいます。店頭には堂々とした黒田家の家紋“藤巴”(ふじどもえ)があり、店内には黒田家御用菓子司の看板が200年以上に亘り掲げられています。加美家製菓が作り出す品々はどれも形・味において多くの人々の絶賛を得て、今尚愛され続けています。
▲喫茶スペースでは、手入れの行き届いた庭園を眺めることができる。
▲棚には目移りするほどの色とりどりの和菓子が並べられている。
▲店内中央には黒田藩より献上された御用菓子司の看板が飾られている。
今回取材をさせていただくにあたり、温かく迎えてくださった店主、紙谷さん。「いらっしゃい。」と笑顔で梅こぶ茶を出してくださいました。このお茶が絶品!あられと金箔が浮かんだお茶からは梅の良い香りが漂ってくるんです!見て飲んで、二度楽しめます。店内の喫茶スペースで飲むことができますよ♪
優しく上品なあんこの甘さとしっとりもちもちした皮のバランスが絶妙な加美家製菓自慢のどら焼き。その美味しさといったら、口に入れた瞬間から思わず笑みが溢れてしまうほどです。程よい甘さのため、食べ終わってもまた次の手が伸びてしまいます。地元の人々はもちろんのこと、「一度食べたらこの味が忘れられない」と遠方からお越しになる方々が多いのも納得の逸品です。自分へのご褒美や大切な方へのお土産、贈り物としても好評です。
加美家製菓が昭和26年に生み出したのが“黒田武士煎餅”(くろだぶしせんべい)。当時、誰も実現できなかったという立体的な煎餅です。戦後の焼け野原から立ち直ろうとしている博多の町の人々を少しでも元気づけようと、先代の惣右衛門が考案しました。小麦粉や卵、砂糖を使った昔ながらの焼き菓子です。
杯の形をしているこの煎餅は、お酒を飲むと皆が陽気な気分になるから…という先代の想いも込められています。創業時よりお祝い事の縁起物として人々に愛されています。
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加美屋製菓(かみやせいか)
【住所】福岡市中央区唐人町1-2-19
【TEL】092-751-1250
http://www.kamiyaseika.co.jp/index.html
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